Race report

スーパー耐久シリーズ 第4戦 十勝

第4戦は国内唯一の24時間耐久レース。舞台となるのは、北海道・十勝スピードウェイだ。昨年、マシントラブルが度重なり、思うような戦いができなかっただけに、今年はPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの底力を披露したいところ。

十勝での一戦は、S耐シリーズ戦と異なり、予選が行われない。第3戦までの戦歴によって、決勝グリッドが確定する。よって、No.50 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEは予選3番手。同じチームの28号車がポールポジションからスタートを切り、2番手にはライバルNo.1 フェアレディZ。この3台を軸に、レースは常に緊迫の戦いとなった。

24時間という長丁場を戦うに当り、チームではドライバー編成を一部変更。今回、50号車には、日ごろ28号車をドライブする片岡龍也選手が加入することに。一方、28号車には助っ人として、ベテラン・織戸学選手が参戦。28号車と50号車はともに最強の布陣で戦いの火蓋を切ることになった。


決勝:2008年7月20-21日(日ー月・祝日) 曇りときどき雨

◎午後3時スタート〜午後11時
PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台が1-2態勢

20日、日曜日の午後3時、ローリングスタートによるレースが始まり、柳田がまずスタートドライバーを務めた。トップはポールポジションスタートの28号車。ドライバーは谷口信輝選手だ。スタート直後、思うようにペースが上がらなかった柳田だが、次第に流れをつかみ、12周終了時点には、スタートからひとつポジションを上げ、2番手に浮上。以後、トップの谷口選手と変わらぬペースで周回を重ねた。

最初のピットインは、スタートから1時間25分後。ひと足先に谷口選手がピットイン。その翌周、柳田がピットへ戻り、給油のみ済ませて、コースへと復帰した。これでまず上々の滑り出しを見せたPETRONAS SYNTIUM TEAMは、以後も2台がレースを牽引していく。

午後5時を過ぎ、上空から雨が落ち始める。だが、霧雨のような弱い雨で、レインタイヤへ交換するほどではない。午後6時過ぎには2度目のピットインを実施。この時点で柳田は片岡選手へとスイッチ。給油とタイヤ交換を行った。

日も暮れ始めた午後7時前、1台の車両がコースアウト。レスキューのため、コースにはセーフティカーが導入される。この時点でトップを走っていたのは、28号車の織戸選手。片岡選手との差はおよそ34秒あったが、セーフティカーランでこの差がなくなり、さらに3番手を走る1号車との差も縮まった。

午後7時を過ぎると、ナイトランがスタート。ライトが点灯され、長い夜の戦いの幕が上がった。チームでは、セーフティカーラン中に50号車をピットインさせ、ルーティンワークとしての給油を実施。これを機に1周違いでピットインしていた28号車とのタイミングがずれることになった。結果的に50号車がトップを奪取。これに28号車が続く形でレースが進んだ。

その後、片岡選手は午後8時40分までドライブ。ハイルマン選手へと交代し、午後10時15分までスティントを担当した。そして、この後、柳田へとスイッチ。2度目の走行は、午前1時18分に片岡選手へと交代するまで、およそ3時間のロングドライブとなった。

◎午後11時〜午前7時
PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台、快走を続ける

午後9時を境に、十勝スピードウェイのラップタイミングシステムにトラブルが発生。計時の表記が行えず、そのまま午前1時までリザルトなしという事態に陥った。これに反し、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台は順調そのもの。しかし、ライバルの1号車 Zも堅調にペースを維持し、3番手をキープ。僅差の戦いは深夜へと及んだ。

日付が変わり、トップの50号車は片岡選手がドライブ。28号車も2番手で続く。その後、深夜のセッションに変動が訪れたのは、午後3時を過ぎてから。最終コーナーでストップした車両から失火が起こり、2度目のセーフティカーランに。片岡選手はこれより少し前にピットイン、2スティント目に入ったばかりだったが、チームでは再度ピットインを指示、ブレーキ交換の作業を行った。幸い、セーフティカーラン中に作業は終了。50号車は再びトップでレースに復帰した。

その後、片岡選手は午前6時40分近くまでドライブ。見事、ロングドライブを消化し、ハイルマン選手へと交代した。そのハイルマン選手は、1時間30分近くドライブを担当。途中、霧雨にも見舞われたが、落ち着いた走りを見せた。

◎午前7時〜午後3時チェッカー
終盤は緊迫の戦いへ。そして50号車が24時間の戦いを制する!

午前8時12分、ハイルマン選手がピットに滑り込み、柳田が再びステアリングを握る。ピットではルーティンワークに加え、ブレーキローター交換の作業が行われた。

ピットを離れる際、クルマがうまく作動せず、若干のタイムロスとなったが、スタッフによる冷静沈着な作業が功を奏し、柳田は無事コースインを果たした。惜しくもこの間、1号車のZに先行を許したが、後にコース上で逆転に成功。再び、トップの座に返り咲いた。

午前9時を迎えてなおも続く、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE2台による緊迫したトップ争い。ついに、午前10時を迎える頃、28号車の谷口選手が柳田を逆転。2台がしばらく僅差での周回を重ねながら、レースを盛り上げた。

その谷口選手は午後11時にピットイン。これを機に再び柳田がトップを奪取。そして約15分後にピットインし、片岡選手へと交代した。

およそ1時間30分に1度の割合でピットインを行ってきたPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台。正午過ぎの作業では、28号車が給油のみでピットを離れたが、50号車は給油とタイヤ交換を実施。この作業内容の差により、28号車がトップを奪還することになる。

だが、次に行われたルーティンワークでは、28号車が給油とタイヤ交換を実施。これに対して50号車の片岡選手は給油のみでコースに復帰。作業の時間差を活用し、再び50号車がトップに立った。

レースはこの後も、僅差でPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台が1-2態勢をキープ。ワンミスで順位が簡単に入れ替わるような、まさに気の抜けない展開が続いた。

午後2時を過ぎ、トップの片岡選手と28号車の谷口選手との差は僅か4秒。最後にタイヤ交換の作業を行った50号車のペースが秀でるも、片岡選手は懸命にトップを死守。2台の攻防戦は残り30分を切ってなお続いた。

多くのスタッフが見守る中、ラスト5分には谷口選手が片岡選手を逆転。だが、片岡選手も逆襲を果たし、トップを奪回。この最後の踏ん張りが実を結び、50号車がトップでチェッカー!第3戦富士に続き、24時間のレースを制した50号車は、十勝24時間レースの15周年記念大会で、今シーズン2勝目をあげることとなった。

日曜日のコメント

「まるでスプリントレースのような戦いでした。タフな1戦になりました。その中で戦うことができて、とてもいい経験になりました。もちろん、優勝して、スポンサーさんの応援に応えることができて、うれしいです。昨年はクルマのトラブルが多発し、とても悔しい思いをしましたから、今年はパーフェクトなレースができて、チームにも感謝しています。気の抜けないレースができたのは、トップ3台がみんなすごいレースをしたからこそ。その中で優勝できたことは、本当にうれしいです。ありがとうございました!」