セパンでの戦いを経て、今回No.22 MOTUL AUTECH GT-Rには40kgのハンディウェイトが搭載されることとなった。
山間部にあるSUGOのコースは、アップダウンを伴うテクニカルコース。特に、最終コーナーからは勾配のある上りが待っているため、ウェイト次第ではストレートでのスピードを活かしきれない状態になる。
まず、7月25日に行われた練習走行。あいにくのウェットコンディションとなり、ドライでのセットアップを集中的に行うには至らなかった。
「チームでは、どのコンディションにおいても、GT-Rの良さがいかせるようなセットアップを続けています」と柳田。
伸びないストレートよりもコーナリングスピードを高めるセッティングを行い、翌日からの予選に備えることになった。
曇り 気温 23℃ 路面温度 27℃(午前11時)
早朝まで雨が降った影響で、SUGOのコースはまだ一部がウェットコンディション。よって、午前11時からスタートした予選1回目は、レインタイヤ装着を認めるウェット宣言下でのアタックとなった。
先にスタートしたGT300クラスの専有走行では、終了間際にコースアウトした車両回収のため、赤旗が出される。これより少しまえのタイミングで、GT500車両はコースイン済み。だが、赤旗提示中につき、走行中断となり、アウトラップに出ていた車両は、皆ピットインを強いられた。
気を取り直し、アタック再開。No.22 MOTUL AUTECH GT-Rには、ミハエル・クルム選手が乗り込み、アタックを開始した。目まぐるしくポジションが入れ替わる中、クルム選手は前半から上位に食い込む。さらにタイムアップを狙って、2セット目のニュータイヤを投入した。これで予選1回目を3番手で通過。午後からのスーパーラップに挑んだ。
午後4時過ぎ、スーパーラップがスタート。気温24℃、路面温度29℃と、午前より若干数字は高くなったが、タイヤの温まりが難しく、ライバルたちも思うようにタイムを伸ばせない。そんな中、8番目のアタッカーとなったクルム選手。午前中のアタックですでに2セット使用しているため、中古タイヤでのワンラップアタックに挑んだが、やはりウォームアップが難しく、タイムが伸びない。
結果、1分18秒719というタイムに留まり、8位から決勝を迎えることとなった。
「40kgのウェイトを積んでいるので、ストレートが伸びないのを実感します。クルマとしては、ストレートよりもコーナーでスピードを稼ぐことができるよう、GT-Rの良さが活きるセッティングを進めているので、コンディションは雨でも晴れでも大丈夫ですね。
予選では1回目にタイヤ2セットを使っていたので、
スーパーラップは厳しい結果になりましたが、いいバランスが取れているので、決勝ではいい走りができると思います。」
雨のち曇り 気温 24℃ 路面温度 26℃(午後2時)
不安定な天候は週末を通じて、レースに少なからずとも影響を与えることとなった。日曜は、雨のフリー走行からスタート。雨といっても、弱い霧雨ではあったが、コース上はウェット宣言、そしてライトオンの指示が出された。
午後9時、30分間のフリー走行がスタート。気温は22℃、路面温度は25℃と涼しさを感じる天気だ。No.22 MOTUL AUTECH GT-Rには、まずクルム選手が乗り込み、コースへ。安定しないコンディションを確かめるように周回を重ね、ピットイン。レース中のピットインをシミュレートするため、柳田と交代する。
柳田は、ガソリンを多く積んだクルマで計13周を重ね、フィーリングをチェック。午後からの天候次第では、セッティング変更を要するため、チームとしても、様々な天候に応じたクルマ作りに時間をかけることとなった。
午後2時からの決勝を前に、サポートレースが行われたが、この直前からSUGOのコース上に霧が出始めた。雨が上がり、気温が少し上がってきたことから、このような状況になったのだが、この霧の影響で、ストレートから1コーナーにかけての視界が塞がれてしまった。
幸い、時間の経過とともに霧も薄くなり、午後2時には無事レース開始。一時は雲の隙間から青空が顔を出していたが、すっかり曇天模様へと戻ってしまったSUGOで81周に及ぶ戦いが始まった。
だがオープニングラップ、オープニングラップの2コーナーで思わぬハプニングが起こる。後方車両がNo.22 MOTUL AUTECH GT-Rと接触。これでクルム選手はコースアウト。ポジションダウンだけでなく、後方のGT300グループに飲み込まれてしまった。
まさかの出来事が身に降りかかり、序盤から耐えるレースを強いられることになったNo.22 MOTUL AUTECH GT-R。総合24位からの追い上げを開始したクルム選手は、4周目でGT500の最後尾まで復帰したが、混戦激しいGT300クラスとの混走で、タイヤを酷使してしまった。
レースは折り返しを前に、ピットインする車両が出始める。だが、チームではコース上が空き始めるタイミングを利用し、少しでもポジションアップのチャンスを広げる作戦に出て、クルム選手もそれに応えようと、周回を重ねていった。そして44周を消化し、ピットイン。柳田へとステアリングを託した。
荒れた展開からの追い上げを見せたい柳田。だが、重いクルマで前に進むのは難しく、また中盤以降のコース上では、GT500、300が絡まる攻防戦をあちこちで展開するという落ち着かないコンディション。まさに自分たちのペースで走ることを拒まれた状態で、周回を重ねることを強いられた。
終盤に入ると、前方との差は大きく、単独走行。波乱に富むレースで知られるSUGOの一戦だが、No.22 MOTUL AUTECH GT-Rは、このハプニングに遭遇することとなり、GT-Rならではのパフォーマンスを披露することなく、13位で戦いを終えることとなった。
「GT-Rとしてのウェイトハンデと22号車のウェイトとを合わせると、菅生での戦いは厳しいものでした。予選での一発はともかく、決勝ともなると、アップダウンのあるコースではGT300との混戦も多く、コーナリングマシンのGT-Rらしさをお見せするのが難しかったです。我慢のレースとなりました。
次の鈴鹿1000kmも依然ウェイト的には厳しい戦いになるでしょうが、長距離レースなので、そのぶんチャンスは多くなると思います。コツコツとミスのない走りを心がけ、いい結果を狙っていきたいと思います。」